低リスク群へのスタチン一次予防投与は無益、または有害かもしれないという結果の論文14本+1 (スタチンの適切な使い方深掘りその1)

研究

はじめに

前回の米国の新しいガイドラインにおいてスタチンの一次予防の開始閾値は厳密にスタチンによる利益1人に必要な最小人数(NNT)、とスタチンによるNODM(new onset DM)という害の1人発症に必要な最小投与人数(NNH)が拮抗する点が、中強度スタチンの場合、10年リスク 3%の集団においてNNT =NNH=100となることから理論的に設定されている、ということを書いた。

(ちなみに、改訂前の2018年のガイドラインでは中間リスク(Intermediate risk): 7.5% 〜 20%未満にはスタチンを推奨、境界域リスク(Borderline risk): 5% 〜 7.5%未満で検討可能。USPSTFでは10%以上でB推奨、7.5〜10%でC推奨(共にスタチンの強度や目標値設定なし)共にカットオフの根拠はNODMをはじめとするスタチンの害と利益の拮抗点から導き出されている)

詳細は 治療閾値の考え方 → ここ


これとは別の観点から、これまでに

岡田唯男 診療のプロが考える経済的負担を減らすための選択肢 ④脂質異常症 in 特集 所得格差時代の薬物治療. 薬局. 2018. Vol.69. No.5. 2244-2250

中島浩一.岡田唯男. Q64 予防投薬としてのスタチンが推奨されるのはどのようなときか?.in:Medical Practice編集委員会(編),岡田唯男,宮﨑景(編集協力).Q&Aでとことん答えます!予防医療の羅針盤―エビデンスと臨床をつなぐ渾身の88問答.Medical Practice 2024年臨時増刊号(第41巻).

で、スタチンによる一次予防の治療開始閾値は10年で20%ぐらいが必要だろうと述べた。

これらの根拠として、

Smithらのメタ分析では,低リスク群では脂質低下療法を行うと総死亡が1.22倍多かった.2012年のメタ分析でも低リスク群(リスクが5年で10%未満=10年で20%未満)では死亡の増加はなかったものの,脂質低下療法の本来の目的である心血管イベントの低下効果そのものが認められていない.

として後述の文献リストの1と10を引用しているが、NODMと心血管リスク低下との拮抗の議論は米国のガイドラインで十分されているので、心血管リスクそのものへの影響ということで今回改めて「低リスク群へのスタチン一次予防投与は無益、または有害かもしれないという結果の論文を14本(おそらくこれでほぼ網羅)」まとめたのでここで共有する。

注意:このエントリーでの10年ASCVDリスクは新しいガイドラインの計算法(PRVENT-ASCVD)ではなく、原則PCE(pooled cohort equation)が使われている。

低リスク群へのスタチン一次予防投与は無益、または有害かもしれないという結果の論文14本

第1群:有害である、または正味利益がマイナス(利益より害が多い)

脂質低下療法を行うと総死亡が統計学的に有意に1.22倍(1.06 to 1.42)増加したという最初のメタ分析。15のRCTを対象とし、特に低リスク群(冠動脈疾患による死亡率が10/1000人年=10年リスク10%未満に相当)に限定すると総死亡の増加が顕在化した。中リスク群(冠動脈疾患による死亡率が10〜50/1000人年=10年リスク10−50%)では効果なし(増加も減少もなし)。この研究が「低リスク群でのスタチン投与に慎重であるべき」という現代的議論の出発点となっている。低リスク群といえどもそれほど低いグループではないことに注意。
(Smith GD et al. BMJ. 1993)

韓国NHIS-NSCデータベースから40–79歳のCVD既往なし・LDL<190 mg/dLの約18,000人を抽出し、Korean Risk Prediction Modelに基づく4段階の10年ASCVDリスク別に、スタチン一次予防の効果を後ろ向きに評価した研究。
全体としてはスタチン使用者でASCVD複合エンドポイントが減少したが、低リスク群(5%未満)ではむしろMACEが有意に増加(HR 1.80, 95%CI 1.29–2.52)。境界(Borderline、5−7.5%)、中間(Intermediate、7.5-10%)は有意差なし。(Ryou IS et al. Front Med (Lausanne). 2022)


第2群:利益も害もない(効果なし)

統計学的に有意な総死亡・心血管イベントの減少が示されなかった研究群。一部では心血管イベントの数値的な減少傾向はあるが、主要エンドポイントでの有意差は得られていない。

CVD既往のない「高リスク」の一次予防集団に限定した11試験(65,229人)のメタ分析で、スタチンによる総死亡減少は認められなかった(RR 0.91, 95%CI 0.83–1.01)。相対リスク減少の点推定値は約9%であるが、信頼区間が1をまたいでおり「効果なし」の範囲内に留まる。試験の対象を純粋な一次予防に限定した点で、方法論的厳密性が高い。この論文での高リスクは年間発症率によっての定義はなされていないが、「CVD既往なしだが、何らかのリスク因子を持つ一次予防患者(高LDL、高血圧、糖尿病、高齢など)」、プラセボ群の年間総死亡率の平均は 11.4 / 1000人年(約1.1%/年)であり、10年換算すると「全死亡10%超」という高リスク集団だが、そこで有意差がないのだから、ましてや低リスクでは、というロジックの裏付けとなる。(ASCVDリスクについては調べていない)(Ray KK et al. Arch Intern Med. 2010)

ALLHAT-LLT試験の二次解析として、高血圧・中等度高脂血症を有しASCVD既往のない65歳以上2,867人を対象にプラバスタチン40mgと通常診療を比較した。全死亡のHRは65歳以上全体で1.18(95%CI 0.97–1.42)、75歳以上ではHR 1.34(95%CI 0.98–1.84)と、スタチン群でむしろ死亡増加傾向(有意差なし)が観察された。冠動脈イベントにも有意差なし。高齢一次予防へのスタチン投与が身体・精神機能に悪影響を与える可能性が考察された。
(Han BH et al. JAMA Intern Med. 2017)

バイアスリスクの高い4試験(AFCAPS、ASCOT-LLA、JUPITER、MEGA)を除外してCochraneメタ分析を再分析したところ、一次予防での総死亡減少効果が消失した(RR 0.99, 95%CI 0.90–1.08)(Major CHDの減少効果は残存)。この再解析は、スタチンの一次予防効果の大部分が高バイアス試験に依存していることを示唆し、Cochrane 2013の結論への重大な異議申し立てとなった。(Therapeutics Letter No. 77. 2010)

50–75歳の一次予防8試験(65,383人)のサバイバルメタ分析で、100人を2.5年治療してMACEを1件予防できる(ARR 1%)が、全死亡の有意な減少を示したのは8試験中1試験のみであった。MACE予防における「ベネフィットが現れるまでの時間(TTB)」は2.5年と推定されたが、死亡率ベネフィットは不確実であるという結論は、高齢者や余命の短い患者への処方の慎重さを促すものである。(Yourman LC et al. JAMA Intern Med. 2021)

46,864人の75歳以上一次予防コホートで、糖尿病なしの75–84歳ではASCVDのHR 0.94(0.86–1.04)、総死亡HR 0.98(0.91–1.05)と有意なベネフィットなし。85歳以上では糖尿病のある群でも効果が消失した。糖尿病なしの高齢一次予防患者へのスタチン投与を支持するエビデンスが乏しいことが示された。(Ramos R et al. BMJ. 2018)

CTT 2012の個人データを再検討し、10年リスク20%未満の集団ではスタチンは総死亡を有意に減少させないと論じた。5年間に1件のイベント予防にNNT=140が必要な一方、副作用(筋症状・糖尿病等)の発生率は約20%に上ると推計し、便益と害がほぼ拮抗するか、害が上回る可能性を示した。
(Abramson JD et al. BMJ. 2013)直接の研究というより、CTT/Cochraneのデータを別の価値判断で読んだポジションペーパー的主張

610,817例の実臨床データで10年冠動脈リスク別にNNTを推計したところ、リスク<5%ではNNT=470、5–7.4%ではNNT=204と費用対効果に劣り(かつ有意差なし)、7.5%以上でNNT=75、10%以上でNNT=62と初めて臨床的・経済的意義が生じることを示した。低リスク群(リスク<5%)でのHR 0.74(0.52–1.04)は統計学的にも有意でなく、真の低リスクではベネフィットがほぼ消失する。7.5%以上で初めて有意なベネフィットが出る → ガイドライン閾値と“方向として”整合する。(Garcia-Gil M et al. Clin Pharmacol Ther. 2018)

21のRCT(一次・二次予防混合)のメタ分析で、スタチンによるLDL-C低下幅と総死亡・MI・脳卒中の相関は「弱いか一貫しない」と報告した。絶対リスク減少は総死亡0.8%、MI 1.3%にとどまり、効果はあるが小さく、特に低リスク・低LDL層ではその大きさの推定に不確実性が大きいとした。(Byrne et al. JAMA Intern Med. 2022)

34のRCT(計27万2288人)を対象に、ベースラインLDL-C値別に「より強力 vs 弱いLDL低下療法」の効果を比較したメタ解析。
ベースラインLDL-Cが高いほど全死亡・心血管死亡のリスク低下が大きく、特にLDL-C≥160 mg/dLでは全死亡RR 0.72(4.3/1000人年の減少)と顕著であった。
一方、ベースラインLDL-C<100 mg/dLの試験では、強力なLDL低下と全死亡・心血管死亡低下との有意な関連は認められなかった。
(Navarese EP et al. JAMA. 2018)


第3群:利益はあるが費用対効果が小さいため社会的推奨の意義が限定的

オランダにおけるJUPITER試験の結果を用いた一次予防スタチンの費用対効果モデル分析で、10年血管リスク5%の低リスク群ではICERが約€125,000/QALY(約2300万円@1 EUR ≒ 185円)となり、多くの医療経済的基準(€20,000–80,000/QALY)をはるかに上回ることを示した。リスクが上昇するにつれICERは急激に改善し、10年リスク10%以上では費用対効果が成立することも示された。ICERの分母となる便益が極めて小さい低リスク群では、費用対効果分析そのものが成立しにくいという本質的問題を定量的に提示した。(日本では日本:概ね500万〜700万円/QALY、制度上は〜1000万円/QALY以上で「高い」と扱うレンジ。)(Greving JP et al. BMJ. 2011)

40–75歳のCVD既往のない者を対象とした定量的ベネフィット・ハームバランスモデリング研究で、スタチンが正味利益を示す可能性が60%である、10年CVDリスク閾値は、若い男性で14%、中高年女性や高齢男性では21–22%、女性40 to 44 才で17%、70 to 75 才で22% であることを示した。現行ガイドラインが推奨する7.5–10%閾値ではほとんどの年齢・性別で害がベネフィットを上回ると結論し、ガイドライン閾値の見直しを提言した。(Yebyo HG et al. Ann Intern Med. 2019)

韓国NHID(国民健康情報データベース)由来のPS-matchedコホート(スタチン使用者 58,265人 vs 非使用者 58,265人)。2018改訂Pooled Cohort Equationsに基づいて10年CVDリスクを予測。「時々服用(occasional user)」ではCVD HR 1.06(0.93–1.20)、全死亡 HR 1.01とほぼ差なし〜微増傾向(有意差なし)。定期的服用(regular user)になって初めてHR 0.57と有意減少。10年CVDリスク別の詳細サブ解析では、低リスク群でも、定期的服用の場合、Major CVDイベント、全死亡共に、優位に減少しているが、著者は“However, the small absolute benefits could not support the need of primary prevention statin therapy in low risk individuals.”
(低リスクでの純便益は絶対値として小さく、スタチンの使用を正当化しない)としている。(Jung HH et al. PLoS One. 2021)

ここまでの14本の研究デザイン

  • RCT / RCTメタ解析:Smith 1993(BMJ);Ray 2010(Arch Intern Med);CTT 2012(Lancet, Mihaylova);Yourman 2021(JAMA Intern Med)
  • 観察コホート:Han 2017(JAMA Intern Med);Ramos 2018(BMJ);García-Gil 2018(Clin Pharmacol Ther);Ryou 2022(Front Med);Jung 2021(PLoS One)
  • 費用対効果・ベネフィット/ハーム・モデリング:Greving 2011(BMJ);Yebyo 2019(Ann Intern Med)
  • 概観レビュー/ポジションペーパー・再解釈:Therapeutics Letter 2010;Abramson 2013(BMJ);Byrne 2019(BMJ Open);Navarese 2018(JAMA)

低リスクでもスタチンは有用であるという論文1本

実は低リスクに限定して解析を行なったものは、ほぼCTT Collaboration 2012(Lancet)のみである。


27のRCTの個人データ(174,149人)のメタ分析で、5年リスク<5%(≒10年<10%)の名実ともに低リスク層で、主要血管イベントの相対リスク減少(RR 0.62, 99%CI 0.47–0.81)は明確に示しており、「低リスクでもイベント数は確かに減る」ことを直接証明している、ほぼ唯一の大規模IPD(individual participant data)メタ解析。しかし5年間の絶対リスク減少は1,000人あたり11件(NNT≈91)にとどまり、また低リスク群での総死亡減少は統計学的に有意でなかった。(Mihaylova B et al; CTT Collaborators. Lancet. 2012;380:581-590)

重要:低リスク、というより、高リスクでない、というニュアンス。5年リスク<5%(≒10年<10%)の中でのさらなる細分化はされていない。

拮抗点とは違う観点で治療閾値を考える

文頭で書いたように、米国の推奨の閾値は利益と害がつりあう10年リスクをもとに行われている。このロジックが成り立つ前提として

  • 害は10年リスクに関わらず一定
  • 利益(率)(RRR)は、ベースラインの10年リスクに関係なく同じ。(どれだけ低くても利益は存在する)→ 絶対的な利益の大きさはベースラインの10年リスクの大きさと相関 (そのため利益が害を上回る点が存在する)

の2つが正しいとしている。

しかし本エントリーで示したように、10年リスクが低い場合にスタチンの利益が発生しない、または目的のアウトカムが悪化する、という現象が起きる場合に、前述のNODMなどの副次的な害との拮抗点の話ではなく、スタチンによる利益が出始める「しきい値」はどこか?の観点で治療閾値を設定する必要がある。

それぞれの論文でのカットオフは

  • 7.5%(Garcia-Gil)  
  • 10%(Smith, Ryou, Greving)  
  • 14%~22%(Yebyo) 
  • 20%(Abramson)

であり、多数決なら10%、安全を取るなら20%、間をとるなら15%あたりとなる。

重要:ただし日本人の研究は含まれていない

日本人唯一の一次予防研究 MEGA studyに含まれた対象者のリスクグループは?

さて、有効であることを示された日本人唯一の一次予防研究 MEGA studyに含まれた対象者のリスクグループのリスクはどのぐらいなのか?

MEGA Studyの治療群(食事療法+プラバスタチン群、n=3866)におけるベースラインの背景因子(Baseline characteristics)は以下の通り(ランダム化が適切になされており、対照群(食事療法のみ)もほぼ同じ属性)

  • 研究の登録対象は、40歳から70歳の男性および閉経後の女性。
  • ベースライン時の平均年齢(標準偏差):
    • 食事療法+プラバスタチン群:58.2歳 (7.3)
  • 性別:
    • 女性:2638人 (68%)
    • 男性:1228人 (32%)
  • 血圧:
    • 収縮期血圧:132.0 (標準偏差 16.8) mmHg
    • 拡張期血圧:78.4 (標準偏差 10.4) mmHg
    • 高血圧の合併(医師による報告):1613人 (42%)
  • 糖代謝異常(糖尿病):
    • 糖尿病(医師による報告):804人 (21%)
  • 脂質値:
    • LDL-C4.05 (標準偏差 0.46) mmol/L(約156 mg/dL)
    • HDL-C1.49 (標準偏差 0.38) mmol/L(約58 mg/dL)
    • (参考:総コレステロール:6.27 (0.31) mmol/L)
  • 喫煙:
    • 現在または過去の喫煙者:823人 (21%)
    • (内訳:男性 660人 [54%]、女性 163人 [6%])

1. 予測スコアによる「低リスク」判定

試験の平均的な背景(50代後半・女性・非喫煙・糖代謝異常なし・血圧132mmHg・LDL-C 156mg/dL・HDL-C 58mg/dL)を点数化すると、合計5点となる。

  • 予測10年リスク(CHD): 久山町スコアの基準では 1.4% と算出され、一見「極めて低いリスク」と判定されます。

2. 試験データによる「実測リスク」の検証

しかし、実際の食事療法群(対照群)における5.3年間のCHD発症率は 2.55% (101/3966人)に達していました,。

  • 10年リスク換算(CHD): 1000人年あたりの発症率(5.0)から算出した実測値は 5.0% となり、予測値の3倍以上の乖離が見られる。

3. ASCVD(全心血管イベント)リスクへの拡大

さらに、久山町スコアが定義する「脳卒中を含む心血管疾患全体(ASCVD)」として評価し直すと、リスクはより鮮明になります。

  • 全心血管イベントの実効リスク: 1000人年あたりの発症率(8.5)に基づくと、10年リスクは約8.5% と計算される。

計算上の10年リスクは1.4%のグループだったので、超低リスクでもしっかり有効性が示されている、として良いのか? (しかも1.4%なら日本のガイドラインでは投薬対象の閾値2%を下回る)実際に食事療法群に起きたイベントからは10年リスクは約8.5% と米国の分類では中間リスクだったグループ、ということになる。

まとめ

•アメリカのガイドラインは、スタチン一次予防の開始閾値を「スタチンによる利益(NNT)とNODMなどの害(NNH)が拮抗するリスク域」を意識して設定している。
• 既存文献14本を整理すると、10年リスクが低い集団ではスタチンによるASCVD・死亡の絶対リスク減少はごく小さいか不確実、あるいは一部観察研究ではMACE増加のシグナルもあることが示される。
• 7.5〜10%以上の中等度リスク領域から、はじめて「統計学的に有意で、臨床的にも一定の意味を持つ絶対リスク減少」や「許容できるICER」が得られるという結果が多く、ベネフィット/ハーム・モデリングからは14〜20%程度で純便益がはっきりするとの報告もある。
• これらのエビデンスを総合すると、一次予防スタチンの治療開始閾値は、最低でも10年リスク10%以上、慎重に見れば15〜20%あたりに置くのが妥当と考えられる(ただし、日本人データはほとんど含まれていない)。
• 日本人唯一の大規模一次予防RCTであるMEGA studyでは、参加者の予測10年CHDリスク(久山町スコア)は平均1.4%と「超低リスク」に見えるが、実際の対照群では5.3年でCHD 2.55%、10年換算CHDリスク約5%、ASCVD全体では約8.5%と「実質的には中等度リスク」に相当するイベント率が観察された。
• したがって、日本人での一次予防のエビデンスの証明されている集団のリスクレベルは、「予測スコア上は低リスク」に見えるものの、実測アウトカムに基づけば欧米の分類でいう中間リスクに近い集団であり、『真の超低リスク(10年1〜2%台)にもスタチンが有効』という根拠にはならない。

次はこちら

参考文献

  1. Smith GD, Song F, Sheldon TA. Cholesterol lowering and mortality: the importance of considering initial level of risk. BMJ. 1993;306(6889):1367-1373.
  2. Ryou IS, Nam H, Lee S, et al. Do statins benefit low-risk population for primary prevention of atherosclerotic cardiovascular disease: a retrospective cohort study. Front Med (Lausanne). 2022;9:1024780.
  3. Ray KK, Seshasai SRK, Erqou S, et al. Statins and all-cause mortality in high-risk primary prevention: a meta-analysis of 11 randomized controlled trials involving 65 229 participants. Arch Intern Med. 2010;170(12):1024-1031.
  4. Han BH, Sutin D, Williamson JD, et al. Effect of statin treatment vs usual care on primary cardiovascular prevention among older adults: the ALLHAT-LLT randomized clinical trial. JAMA Intern Med. 2017;177(7):955-965.
  5. Therapeutics Initiative. Do statins have a role in primary prevention? Ther Lett. 2010;(77):1-4.
  6. Yourman LC, Cenzer IS, Boscardin WJ, et al. Evaluation of time to benefit of statins for the primary prevention of cardiovascular events in adults aged 50 to 75 years: a meta-analysis. JAMA Intern Med. 2021;181(2):179-185.
  7. Ramos R, Comas-Cufí M, Martí-Lluch R, et al. Statins for primary prevention of cardiovascular events and mortality in old and very old adults with and without type 2 diabetes: retrospective cohort study. BMJ. 2018;362:k3359.
  8. Abramson JD, Rosenberg HG, Jewell N, Wright JM. Should people at low risk of cardiovascular disease take a statin? BMJ. 2013;347:f6123.
  9. García-Gil M, Blanch J, Comas-Cufí M, et al. Effectiveness of statins as primary prevention in people with different cardiovascular risk: a population-based cohort study. Clin Pharmacol Ther. 2018;103(2):254-262.
  10. Byrne P, Cullinan J, Smith SM. Statins for primary prevention of cardiovascular disease: an overview of systematic reviews. BMJ Open. 2019;9(4):e023085.
  11. Navarese EP, Robinson JG, Kowalewski M, et al. Association between baseline LDL-C level and total and cardiovascular mortality after LDL-C lowering: a systematic review and meta-analysis. JAMA. 2018;319(15):1566-1579.
  12. Greving JP, Visseren FLJ, de Wit GA, Algra A. Statin treatment for primary prevention of vascular disease: whom to treat? Cost-effectiveness analysis. BMJ. 2011;342:d1672.
  13. Yebyo HG, Aschmann HE, Puhan MA. Finding the balance between benefits and harms when using statins for primary prevention of cardiovascular disease: a modeling study. Ann Intern Med. 2019;170(1):1-10.
  14. Jung HH, Cho Y, Rhie SJ, et al. Statin use and outcome risks according to predicted cardiovascular disease risk in Korea: a retrospective cohort study. PLoS One. 2021;16(1):e0245609.
  15. Mihaylova B, Emberson J, Blackwell L, et al; Cholesterol Treatment Trialists’ (CTT) Collaboration. The effects of lowering LDL cholesterol with statin therapy in people at low risk of vascular disease: meta-analysis of individual data from 27 randomised trials. Lancet. 2012;380(9841):581-590.

ここまで

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